(1) レライアンスのビジネスモデル
レライアンスのサービスはコンサルティング業務に分類されますが、一般的なコンサルティング・ファームとは、全く違ったコンセプトから成り立っています。
一般的なコンサルティング業は、主に企業をその対象としていて、契約企業の中核的な業務に携わり、継続的に業務を担う事で、経営の安定化を図ります。
これに対して、私達はご依頼者を特定しません。
必要なSkillを求める方がいれば、それが企業でも個人でも関係なく、技術や情報をご提供します。
求められる技術や情報には、基本的にはそれが企業からの依頼であっても、個人のものであっても、プランを実現させる為のものであるという点では変わりがなく、ご依頼者・経営者ご自身がプランを成功させ、飛躍する為のサポートというのがサービスの根幹と考えます。
しかし、これは従来のコンサルティング・ファームの経営という視点からすると簡単なことではありません。
現在のコンサルティング業界では、基本的には企業を対象としていますが、それは高い収益性が望めるからにほかなりません。
最初、廉価なスポット業務で関係を作り、月次のコンサルティングやモニタリング契約などで安定した収益に繋げなければ経営的に行き詰まります。
それ自体はひとつのビジネスモデルであって否定はしませんが、現在ではそれが目的化してしまっていて、ご依頼者の利便性を目的と考える私達とは違うコンセプトであると感じます。
例えば経営指標とされる、ROEやEVA、フリーキャッシュフロー、自己資本比率、流動比率、WACCなどは確かに経営戦略には必要かと言われれば否定はできません。
しかし、数値項目が増えれば企業のコンサルティング費用も膨大になりますし、そもそも、このような数値指標が本当に全てのご依頼者に必要となのかは疑問です。
経営指標とは適切に運用する事は重要ですが、BSやPS、CFなどの基本的な指標で充分役に立つものです。
むしろ手薄だと感じる営業や品質、マーケッティングなど現場に近い業務の具体的改善に、時間も予算もかけるべきだと痛感します。
私達はコンサルティングの効果は大手企業よりも、むしろ中小零細規模の企業や自営業などにこそ功を発揮すると考えています。多くの方々がコンサルティングサポートを積極的にご活用することで、その可能性を高めて行くことが当たり前になる。そのようなビジネスモデルを目指しています。
(2) 変わる! 私達の働き方について
日本人が戦後粛々と続けてきた「働き方」が今、変化を求められています。
私達はこれまで、戦後の日本の企業スタイル、官僚主導型の規格大量生産と日本式経営を信じて、それに適合してきました。
しかし21世紀に入ると、それを信じる人はいなくなったのですが、同時に、個人のレベルではその次のスタイルを探す行動も興していません。
「一億総活躍社会」とか「働き方改革」などは、単なるスローガンなどではなく、ひとりひとりがそれについて考え直すように投げかけられたボールです。「プレミアム・フライデー」を笑うのは簡単ですが、これが私達の労働環境にどのように影響するかを、どれだけの人が認識しているでしょうか。
20世紀の末、冷戦が終焉し、日本は高度経済成長期を終えました。
それからたった四半世紀。
かつての西側諸国の経済は悪化し、既得権益者への冨の集中やワーキンプア、社会の頽廃や将来への絶望感など、人々の生活から未来や希望が失われました。東側体制は崩壊しましたが、畢竟それは西側に比べて、ちょっと早かったに過ぎないのではないかと感じます。
夢や希望を喪失した私達は、福祉大国と言われるノルウェーやデンマークの幸せそうな現状や、夏には一か月単位のバケーションをとりながら生活を楽しんでいる先進国のスタイルを見るにつけ、そこに羨望を感じ、同時に、なぜ私達はこうなったのかと自問自答します。
そんな私達が考えなければならないことは、「日本の戦後の社会体制は、日本の歴史から見ても、特異な環境下にあった」という前提で「これまでの考え方を改めて、違った働き方をしなければ、国も個人も幸せにはなれない時代になった」いう現実です。
どのように働き方や勤労に対する考え方を変えるべきかは、現在の最重要課題のひとつであることは間違いありません。
人は自らが属する社会を信じて生きて来ています。また人は誰でも「現実を見る」事は苦手です。
いつの間にか普通に働く、普通の人々は、そんな責任ある舵取りを自身の意志ですることができなくなってきたのかも知れません。
ポリアンナ症候群(過剰なプラス思考)に陥り、親の世代や社会と全く違った環境になっても、すぐには対応できないものです。
これからの時代、仕事の上に人生があり、その目的に幸せがある構図。
これを自分自身で考え、構築しなければなりません。
明日を生きる為の知恵が必要となります。
これまでと同じ働き方では幸せは掴めません。
例えば 会社は社員を守ってはくれません。
それどころか社員という概念すら希薄化するような仕組み作りを進めるでしょう。
そうなると個々が成長する為のスキルを持ち、それを向上させながら能力を「販売」して行くか、スキルを活用した事業を興すかを考えて行かなければなりません。
自分で自分や家族、仕事(会社)を守って行かなければなりません。
また仕事や生活、情報、趣味、など、生活のすべてに於いて、サポートして支えあう環境を築かなければならなくなります。
一人では、もちろん組織などでは生きては行けない社会への順応。
働き方を変えるとは、そういうことだと考えます。
(3) ユーボック総合研究所について
レライアンスは、ユーボック総合研究所が運営するコンサルティング・サイトです。その基本的なスタンスは人と社会の新たな関わりを創造して行くことにあります。
人が社会とどのように関わって行くかについて興味ある意見があります。
作家の堺屋太一氏はその著書の中で、日本の社会の変化を「血縁社会→地縁社会→職縁社会(戦後)→好縁社会(今後)」としています。
そう見ると戦後半世紀に亘る職縁社会だけが敗戦後の社会復興の為の特殊環境の下で作られた制度であったことが分かります。
日本の国民性としては多少のいざこざはあっても基本的には和睦を貴ぶ社会で、確かに職縁社会下でも自分達の組織内だけは極端に和睦を重視しますが、血縁や地縁、好縁、ましてや他の職場を悉く排斥する特殊な競争意識が基盤となっていたように思えます。
しかし今後は職縁の象徴であった中小企業や終身雇用、年功序列の賃金体系の消滅によって、再び好縁・和睦社会が復活して行く事になるでしょう。
レライアンスの母体とするユーボック経営・情報研究所の「ユーボック」はこの「好縁・和睦社会」を表す「友睦」いう造語からとられています。
今、日本が海外から称賛されるものに「助け合いの精神」「親切さ」「治安の良さ」などがありますが、戦後、都市部では弱まったとは言え、これらは先人から強く受け継いだものとして、また日本の社会の規範として復活して行くことになるでしょう。
レライアンスはその精神を自らの規範として活動します。